25 2月 2017 - 04:35

 【ドバイ=久門武史】イラク軍は23日、過激派組織「ダーイシュ」(IS)が支配するイラク北部の要衝モスルの奪還作戦で、南西部にある国際空港を制圧した。IS掃討に向けた足がかりを増やし、24日にはモスル西部の市街地に進軍した。戦闘は市街戦に移り、ISの激しい抵抗が予想される。

 イラク軍は米軍主導の有志連合の空爆支援を受けて空港を制圧し、近くにある軍事基地も奪還した。一帯はISが拠点として利用していた。空港は既に破壊されているが、ロイター通信によるとイラク軍はこの空港を修復し、モスルの完全制圧に向けた拠点にしたい考えだ。

 モスルはイラク北部の主要都市で、ISが2014年に支配下に置いた。ISにとってイラクで最大の拠点だ。

 イラク軍は昨年10月にモスル奪還作戦を開始。米軍主導の有志連合の支援を受けながら、今年1月に市東部を制圧した。中心部を流れるチグリス川の対岸の西側に進めずにいたが、イラクのアバディ首相は今月19日に西部での本格的な作戦開始を宣言。「モスル西側の住民をISの支配から解放する」と述べた。ISは爆弾を積んだ車による自爆攻撃などで抵抗を続けている。

 今後の戦闘は住宅が密集する市街地が主な舞台になる。モスル西部は細い路地が多い。イラク軍の戦車や装甲車が活動しにくいことを利用し、ISがゲリラ戦で抵抗すると予想される。奪還作戦は東部地区に比べ難航するとの見方がある。

 さらに西部には約75万人の民間人が残っているとみられている。ISが市民を「人間の盾」に利用するのは確実で、作戦は市民の保護が課題となる。

 IS掃討作戦を巡っては20日、マティス米国防長官が就任後初めてイラクの首都バグダッドを訪問。アバディ首相らと会談し、協力を確認していた。

 ISはシリアでも劣勢が続いている。トルコが支援するシリアの反体制派「自由シリア軍」は23日、ISが支配していたシリア北部の要衝バーブを「完全に制圧した」と発表した。支配地の縮小が続くISにとって痛手となる。

 ロイター通信によると、アバディ首相は24日、イラク軍がシリアにいるISに対して空爆を実施したと発表した。イラク軍がIS掃討作戦でシリア領内で空爆したのは初めてで、シリアのアサド政権にも了解を得たとみられる。